11日ジャイアンツは、阿部慎之助新監督(45)の政権下初、単独では実に722日ぶりの首位に立った。
2年連続Bクラスからの変化、「阿部マネジメント」に迫る。
巨人の投手陣には「ゾーン内勝負」という合言葉がある。
試合前には先発投手が呪文のように唱え、試合後は好投した投手が効果を言葉にする。
阿部監督が就任した昨秋から掲げてきた改革。
すっかり浸透した背景に、信頼を置く杉内、内海両投手コーチの存在も大きい。
メジャーはゾーン内勝負が主流だが、日本ではボール球を振らせるという習慣が残っていて、自ずと無駄球も球数も増えてしまう。
ドラスチックな改革を断行するために「3球勝負、本塁打、ど真ん中」と、一般的にはタブーとされる要素全てをOKとした。
リリーフは勝ちパターンの投手以外は、7人目の「先発候補枠」。赤星、堀田、井上、横川らがこの枠で、堀田はここまで3勝と結果を残す。チーム方針として2軍からの昇格即先発はなく、リリーフで結果を残せば先発と明確にした。
数値でも証明されている。昨年3.81の救援防御率は現時点で2.27と改善。50ホールドはリーグダントツで、救援投手の1試合平均の球数は50.45。昨季は58.99で「8球の差」は年間で1100球を超える。
四球数減につながるだけでなく肩、肘の負担軽減と相乗効果は計り知れない。
ブルペンに安心感を与えているのが内海投手コーチだ。
心がけるのは「寄り添う」指導法。準備段階の球数から管理し、連戦での3連投はまだない。
戦況を読みながら杉内コーチと連携を図り、登板に備えて準備させる。
両コーチが支えるチーム改革。監督、コーチの信頼関係もまた、今年の強さを裏付けている。
デイリースポーツより