北朝鮮の国営メディアは3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水素爆弾の爆発実験に「完全に成功した」と発表した。
小野寺五典防衛相は同日、今回の爆発規模が過去最大となる約70キロトンに及ぶとの分析を示した。
政府はただちに大気中の放射線濃度の監視体制を強化する方針を決定した。
朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』は4日、金正恩朝鮮労働党委員長が核実験強行を命令する書類に直接サインする写真を掲載。
今回の実験の目的を、「ICBMの弾頭に搭載する水素爆弾の爆発力を調整する新技術の正確性と信頼性を実証するため」として、「核武力を完成させる目標の達成に向けた契機となる」と成功を強調した。
気象庁は今回の核実験に伴う地震の規模をマグニチュード(M)6.1と発表。
2016年9月9日はM5.3、同年1月6日はM5.0だったことから、過去5回行われた核実験を上回る最大規模の威力だった可能性が高く、小野寺五典(いつのり)防衛相は3日、報道各社とのやりとりで、「今回の推定出力は約70キロトン以上になる」との分析を示した。
広島に落とされた原爆の爆発規模は15キロトン、長崎は21トンだったことを考えると、今回の水爆は3〜4倍の威力と推定される。
政府はただちに防衛省航空自衛隊に上空に浮遊する放射性物質のちりなどの収集を指示するとともに、原子力規制庁を通じて、全国47都道府県に設置されているモニタリングポストによる空間線量の監視体制を強化するよう命じた。
3日現在、大気中の放射性物質の濃度に変化はないという。
【日時】2017年09月04日(月) 10:43
【提供】ハザードラボ