スマトラ島のシナブン山、バリ島のアグン山と活発な火山活動が相次ぐインドネシアで19日、ジャワ島東部のブロモ山で火山性微動が連続的に続いているとして、警戒レベルを2に引き上げた。
インドネシア第二の都市スラバヤの南南東約50キロの国立公園内に位置するブロモ山は、標高2329メートル。
ヒンズー教の創造主ブラフマの名前をつけられた山だ。
同国国家災害管理局(BNPB)は19日、地下のマグマや水蒸気の動きを示す火山性微動が連続し、火山ガスに含まれる硫化水素の匂いが強くなっているとして、警戒レベルを危険度2に引き上げた。
ストポ・プルウォ・ヌグロホ(Sutopo Purwo Nugroho)報道官は公式ツイッターで「山頂付近は雲海に覆われているが、白い噴煙が50〜500メートル上空に立ち上るようすを確認した」と発表した。
50年ぶりの噴火に備えて警戒が続くアグン山をはじめ、日常的に爆発を繰り返しているシナブン山など、インドネシアは日本を上回る火山大国。
スマトラ島からジャワ島にかけて弧を描く列島の外側にある最深部7000メートル以上に及ぶスンダ海溝は、ユーラシアプレートとオーストラリアプレートの境界であるため、環太平洋火山帯のなかでも火山と地震活動が活発な地域だ。
とりわけ、首都ジャカルタがあるジャワ島は、世界第一位の人口密度を誇る島だが、中央部に複数の火山が集中している火山島で、そのうちのひとつであるブロモ山は2004年の噴火で噴石に当たったふたりが死亡。
2010年から2011年にかけての連続的な爆発的噴火では、大量の火山灰の飛散によって国際線の航路に影響があった。
■国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」をご覧ください。
【日時】2017年11月21日(火) 10:29
【提供】ハザードラボ