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今夏で勇退した山本雅弘前監督に代わり、今大会から指揮を執る遊学館の中川光雄監督が初陣を飾った。長男の中川雄斗選手(二年)がチームを勢いづける先制の適時打。初戦を危なげなく勝ち、二〇一五年以来六年ぶりの甲子園出場に向け、大きな一歩を踏み出した。
「百点満点です。喜びしかないです」。試合後、中川監督は感慨深そうにそう答えた。ベンチに入る二十人中十九人が出場し、七回コールドで白星発進。順調な滑り出しに見えたが、「コロナ禍で思うように練習ができなかった」という。
八月下旬、チームの関係者に新型コロナ感染者の濃厚接触者がいたため、練習試合は中止となり、部員は一週間の自宅待機を余儀なくされた。新チームとなって「さあ、これから」というところだった。名将からバトンを受け継ぎ、どういったチームをつくるのか。「まだその段階にない。ほんとうに野球ができる喜びをみんなでかみしめてやっていきたい」と振り返った。
今夏の主力が抜け、まさにゼロからのスタート。その打線の中心に監督が「精神的な柱」と評価する雄斗選手が座る。一回裏無死満塁で走者一掃の3点適時二塁打を放ち、「四番としての仕事ができて良かった」とコメント。父にとっても、これ以上ない最高のプレゼントとなった。