名古屋大学医学部の付属病院は20日、骨盤内腫瘍の手術を受けた80代の女性の体内に、44年前に同院で受けた手術で使われたガーゼが残っていて、腫瘍の原因になった可能性が高いと発表した。
この患者は、長年にわたって腰痛や便秘などの症状があり、この手術で人工肛門が必要になったという。
名大病院の発表によると、患者は愛知県に住む80代の女性で、2014年4月に骨盤内腫瘍と診断され、直腸の一部を切除する手術を受けた。
病理検査の結果、腫瘍の一部にガーゼのような異物が入っていることが判明。
病歴を調べたところ、1970年に同院の産科婦人科で不妊症の手術をしたのみだと判明。
ガーゼは当時の手術で使われた可能性が高いと結論づけた。
患者は長年、腰痛や便秘などの苦痛症状を訴えており、骨盤内腫瘍の手術を受けた結果、人工肛門を造設することになった。
大学病院では「体内に異物を残したことと無関係ではない」と判断し、術後に患者と家族に謝罪。
その後も治療を続けてきたが、症状の改善は期待できないということがわかり、損害賠償の協議を終わらせた時点で事実を公表した。
病院では現在、X線撮影検査に写るガーゼを使っており、手術で使ったガーゼと回収したガーゼの数が一致しない場合は、確認のための撮影を行なっているという。
【日時】2017年12月21日(木) 14:57
【提供】ハザードラボ