「第一の石を投げて水面の輪がどう広がっていくか。各党の意見、世論の反応はどうかということの第一歩だ」。党憲法改正推進本部の細田博之本部長は20日の全体会合後、記者団にこう語り、与野党や世論の動きを注視する考えを示した。
首相に近い細田氏が慎重とならざるを得ないのは、国民投票の「リスク」への懸念からだ。イタリアでは国民投票で失敗し、政権が退陣に追い込まれた。細田氏は会合で「過半数の見込みが大きくなければいけない」と述べ、自民党案は広範な支持を得られる内容とすることが必要だと力説した。
ただ、党内の意見集約は難航している。推進本部で議論してきた4項目のうち、9条について戦力不保持をうたった2項の扱いをめぐり意見が対立。会合では「維持派」と「削除派」双方の立場から複数の意見が出た。
この日了承された「論点取りまとめ」では、9条の1、2項を維持し自衛隊を明記する首相案、国防軍創設を盛った2012年党改憲草案に沿い2項を削除する案を併記した。9条はこのままで良いという現状肯定派もおり、党幹部は「党内には3通りの考え方がある」と、取りまとめの難しさを指摘する。
推進本部は年明け早々にも議論を再開し、来年度予算案の審議を終え次第、党改憲案を国会提出したい考えだ。首相周辺は党内論議の停滞に「首相はいらいらしている」と代弁し、速やかな意見集約を促しているが、拙速な議論は党内に亀裂を生じさせる可能性もある。
首相に近い細田氏が慎重とならざるを得ないのは、国民投票の「リスク」への懸念からだ。イタリアでは国民投票で失敗し、政権が退陣に追い込まれた。細田氏は会合で「過半数の見込みが大きくなければいけない」と述べ、自民党案は広範な支持を得られる内容とすることが必要だと力説した。
ただ、党内の意見集約は難航している。推進本部で議論してきた4項目のうち、9条について戦力不保持をうたった2項の扱いをめぐり意見が対立。会合では「維持派」と「削除派」双方の立場から複数の意見が出た。
この日了承された「論点取りまとめ」では、9条の1、2項を維持し自衛隊を明記する首相案、国防軍創設を盛った2012年党改憲草案に沿い2項を削除する案を併記した。9条はこのままで良いという現状肯定派もおり、党幹部は「党内には3通りの考え方がある」と、取りまとめの難しさを指摘する。
推進本部は年明け早々にも議論を再開し、来年度予算案の審議を終え次第、党改憲案を国会提出したい考えだ。首相周辺は党内論議の停滞に「首相はいらいらしている」と代弁し、速やかな意見集約を促しているが、拙速な議論は党内に亀裂を生じさせる可能性もある。