平成初期の中年男の悲鳴が予言していた「日本の自殺」
4/24(水) 11:00配信 日経ビジネス
平成初期の中年男の悲鳴が予言していた「日本の自殺」
平成の30年間を振り返ると、「悪化、劣化、衰退」という、最悪な文字しか浮かばない。平成に失われた共感や居場所を「令和」に取り戻せるか(写真=shutterstock)
平成最後のコラムとなるので「平成の30年間を振り返る」という、コテコテのメディアチックなテーマにしようと思う。
個人的には、私は昭和63年(1988)入社。かくして昭和の高度成長期に「当たり前」だった働き方が瓦解していく様を目の当たりにした世代でもある。“ピチピチ”で“イケイケ”だったあの頃、自分のキャリアを含め「こんな風になる」とは“1ミリ”も想像していなかった。
もちろん元号が変わったからといって、今ある「流れ」が変わるわけではない。
だが、平成を振り返ることは自分のキャリアの足跡をたどることであるとともに、フィールドワークのインタビューに協力してくださった約700名の人たちの「語り」に思いをはせる作業でもあり、これまで講演会やら取材やらでお邪魔した数えきれないほどの企業の人たちから伺った「わが社の問題点」を振り返ることでもある。で、そんないくつもの“データBOX”の蓋を開けてみると、
「悪化、劣化、衰退」
という、最悪な文字しか浮かばない。ふむ、何回振り返っても暗闇しか見えない。
もちろん色々な制度や法律はできたし、セクハラやパワハラ、長時間労働など、やっと、本当にやっと平成終盤で関心が高まり、部分的にはかすかな“光”が見えてきた問題もある。
しかしながら、どれもこれも抜け穴だらけで、全体を見渡すと“自滅”にむかっているとしか思えないのである。
4/24(水) 11:00配信 日経ビジネス
平成初期の中年男の悲鳴が予言していた「日本の自殺」
平成の30年間を振り返ると、「悪化、劣化、衰退」という、最悪な文字しか浮かばない。平成に失われた共感や居場所を「令和」に取り戻せるか(写真=shutterstock)
平成最後のコラムとなるので「平成の30年間を振り返る」という、コテコテのメディアチックなテーマにしようと思う。
個人的には、私は昭和63年(1988)入社。かくして昭和の高度成長期に「当たり前」だった働き方が瓦解していく様を目の当たりにした世代でもある。“ピチピチ”で“イケイケ”だったあの頃、自分のキャリアを含め「こんな風になる」とは“1ミリ”も想像していなかった。
もちろん元号が変わったからといって、今ある「流れ」が変わるわけではない。
だが、平成を振り返ることは自分のキャリアの足跡をたどることであるとともに、フィールドワークのインタビューに協力してくださった約700名の人たちの「語り」に思いをはせる作業でもあり、これまで講演会やら取材やらでお邪魔した数えきれないほどの企業の人たちから伺った「わが社の問題点」を振り返ることでもある。で、そんないくつもの“データBOX”の蓋を開けてみると、
「悪化、劣化、衰退」
という、最悪な文字しか浮かばない。ふむ、何回振り返っても暗闇しか見えない。
もちろん色々な制度や法律はできたし、セクハラやパワハラ、長時間労働など、やっと、本当にやっと平成終盤で関心が高まり、部分的にはかすかな“光”が見えてきた問題もある。
しかしながら、どれもこれも抜け穴だらけで、全体を見渡すと“自滅”にむかっているとしか思えないのである。