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■大分県で弁護士会が勧告
村八分といえば、昔の集落では当たり前のようにあった、地域の共同体から例外を除いて締め出すという差別的扱いを指す言葉です。

その理由は様々で、素行不良や犯罪、地域に迷惑をかけた、気に入らないなどがあります。

この村八分ですが、オヤジ世代でも比較的若い人にはピンと来ない人もいるでしょう。

なにしろ、時代は21世紀で平成も29年を終わろうかという現代です。

ところが、まさにこの現代において村八分行為に対する弁護士会からの是正勧告が出されたというのだから驚きです。

報道されている事案の概要としては、いわゆる限界集落かどうかは定かではありませんが、規模的には14世帯しかない大分県の集落で、ある男性住民が地域からのけ者にされたというものです。

この男性は、地元を離れて関西地区で暮らしていましたが、親の介護などで戻った人です。

この辺から、この土地の感覚とのギャップがあったのかもしれません。

そして、農地開拓に関する補助金にかかる事柄で意見が対立し、集落の他の構成員はこの男性を自治会に入れないことを決定します。

これが4年前のことです。

自治会といえば、都市部においてはあってもなくても問題のない任意団体です。

しかし、田舎、特に行政の手が回らないような僻地においては、行政の肩代わりをする部分もあり、入っていないと実質的に不利益を被ることがあります。

この男性は、自治会から排除されたことで市報を受け取れないとか、連絡をしてもらえないとかの被害にあっています。

■言い分があっても駄目なこと
大分県弁護士会は、男性側の申立てと、集落側の態度を勘案し、人権侵害をやめるようにと是正勧告を出しました。

さて、ここまでは集落側の考えが見えてきませんでした。

弁護士会によれば、とにかく入れないと頑なな態度だったようです。

なにがそうさせたのか？

小規模の村社会というのは、得てして同調圧力が強くなり、少しでも異を唱える者を排除するものだろうとの想像はつきます。

実際、そのような話はどこにでもあるものです。

しかし、そうであっても、それ以上に言い分があったとしても、村八分は駄目です。

葬式と火事以外に用がないと言っても。

そもそも、付き合いたくなければ付き合う義務はありませんが、自治会に入っていない（入れない）から市報や連絡を回さなくて良いという話にはなりません。

市報は自治会報ではなく、自治会に配布を委託しているとしても、それは自治会員へ配布されるものではなく、地域住民へ配布されるべきものだからです。

そうすると、この市当局はこの問題をどう考えているのかが気になるオヤジです。

今後も、集落側が恣意的な態度で臨むなら、市報などの配布・連絡が市の人間が行うべきものでしょう。

費用や人手は言い訳になりません。

なんなら、この男性分だけでもそうすべきであり、郵送という手もあります。

大分県弁護士会には、その辺のところまで突っ込んで欲しかったものです。

しかし、今後の人口減と高齢化で、自分の周囲にも小規模集落化してしまう地域がありそうさと感じるオヤジもいることでしょう。

よそ者だの異端だのという意識を捨てることは、全国民に必要なことかもしれません。