M-1審査委員入れ替え 「なぜ山田邦子なの?」 の疑問に答えます
「俺より先輩の女芸人にしてくれ」
22年の『M-1グランプリ』で本線以外でも大きく話題になったのが、大御所審査員のオール巨人(71)と上沼恵美子(67)が勇退し、2名の審査員が入れ替えになったことだろう。
「巨人さんの後釜は博多大吉(51)でこちらは正直そこまで話題になってない。やはり最大の注目は唯一の女性枠で、おまけに審査員のなかでなにかと一番話題を振りまいていた上沼さんの後釜が誰になるか、ということ」(バラエティプロデューサー)
女性を1人入れるのを基本とするのであれば、やはり上沼さんを継ぐような関西の大物女性漫才師が適任のはず。
当初から言われていたのは “ハイヒールのどちらか” だったが蓋を開けてみると、なんと関東芸人で漫才師のイメージの薄い山田邦子(62)に決まり、周囲から驚きの声があがったという。
「たしかに山田さんは一時代を築いた関東女性芸人の大物中の大物。現在はほぼ個人事務所のような感じで悠々自適な活動をしているが、全盛期の勢いなら、それこそ上沼さん以上に売れていて『女芸人で初めて天下を獲った人』と称されていた」(同前)
関東の大御所女性芸人枠には、他にも久本雅美(64)がいるが、やはり少なくとも “女芸人” というイメージは山田の方が強く、久本の場合は芝居での笑いが中心の “コメディエンヌ” というイメージだろう。
「でも結局、2人とも漫才師ではない。それならやはりハイヒールのどちらかが適役だったのかもしれないが、実はこの女性審査員の枠選びのなかで、現大会の最大権力者であるダウンタウン松本人志(59)がある条件を出したという話がある」(M-1制作関係者)
ああ見えて礼節を重んじる松本は、芸能界に数少ない自分より先輩の女芸人の上沼に、かなりの敬意を払っていたのは有名な話。
「数年前の大会後に、以前の優勝者で吉本の後輩・とろサーモン久保田(43)が上沼さんの審査を罵倒する配信をし大騒動になった際、松本さんが大阪の上沼さんの元へ謝罪に行った。おまけに『上沼さんが辞めるなら俺も審査員を辞める』というのが口癖になっていたが、さすがに周囲から慰留された。そしてその松本さんから『上沼さんが本当にやめるなら俺より先輩の女芸人にしてくれ』と番組側に頼んだらしい」(同前)
もともとM-1創設者である島田紳助氏(66)に直接口説かれて審査員入りした上沼に、同じく島田氏に『俺の後は頼む』とM-1を託された松本。
そんな松本からしても、上沼さん以外で自分より先輩で、一番名前がある女芸人は、実際に山田しかいないのが現実であり、納得の人選だったはずだ。
「思えば当時、まだ20代前半にも関わらず『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)で、当時からバリバリトップのビートたけし(75)や明石家さんま(67)、そして紳助さんとも互角に渡り合っていた山田邦子以上の女芸人は、後にも先にも絶対に現れない」(バラエティ演出家)
今年のM-1審査員も、山田の続投は固いか……。 (狩野 玖太)