●故意に「うつしてやろう」と考えていた場合は「傷害罪」にあたる
「加害者が、自らHIVに感染していることを知っており、故意に『うつしてやろう』と考えていたのであれば、傷害罪にあたるといえます。被害者がHIV感染から発病し、死に至った場合には、傷害致死罪の適用もあり得ます」
このように、故意にHIVを感染させた場合には「傷害罪」になるというのだ。では、故意ではなかった場合はどうなのだろう。
「加害者がHIV感染を知らなかった場合、過失致傷罪になるかどうかは、加害者がHIV感染していることを知りうべき立場にあったかどうかにかかっています。何かの検査でHIV感染の疑いが濃厚と判断されたのにも関わらず、精密検査を受けずに感染発見が遅れたなどの場合は、過失が認められると思います」
●「感染させるつもりがなかった」場合でも、過失致傷罪に問われる可能性あり
では、自らがHIV感染していることは知っていたが、相手に感染させるつもりはなかったという場合はどうなのか。
「自分がHIV感染していることを知りつつ、感染を防ぐ万全の対策をして性交渉したつもりだったのに、結果として感染してしまった場合は、やはり過失が問われることになるでしょう」
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