<笠岡市 次世代メガファームを誘致、バイオマス発電プラント設置>
岡山県の笠岡市は3月23日、世界最先端のIT技術を用いた植物栽培室や再生可能エネルギー施設を併設した次世代メガファームの誘致に成功したと発表した。
笠岡湾干拓地内の北端エリア約18.5ヘクタールに誘致が決まったのは、農業法人の株式会社サラ。元岡山県議会議員の小林健伸氏、カゴメ常勤顧問の佐野泰三氏、減農薬の天敵栽培技術を提供する和田哲夫氏らが役員を務める。
施設は平成29年1月に着工予定。最新のIT技術で気温・養分を管理し常に栽培に最適な環境を保つ最大6.1ヘクタール、年間3,800トンの生産を見込むトマト栽培室やパプリカ栽培室(3.2㏊)、レタス栽培室(2.1㏊)などを整備。また、輸入木質チップを原料に年間出力約8万MWhを見込むバイオマス発電プラント1基を設置予定だ。
笠岡市建設産業部の田中早苗部長は「北端エリアはこれまで、なかなか全ての土地の有効利用ができなかった。今回の取り組みは、笠岡の干拓地の農業を未来に向かってアピールする良い起爆剤となる」と話した。
笠岡市はサラと3月28日に調印式を行う予定。
[2016.03.26 BIONOTES]
[匿名さん]
<タクマ/タクマテクノスがサラ向けバイオマス発電所のO&Mを受託 岡山県笠岡市で1万kW規模建設中>
施設野菜の生産・販売事業を行うサラ(岡山県笠岡市)は現在、同県笠岡湾の干拓地で、国内最大規模となる半閉鎖型グリーンハウスとバイオマス発電所の整備を進めている。
タクマは同社よりバイオマス発電設備・燃焼ガス浄化装置を受注し、現在工事中だが、10月17日、グループ会社のタクマテクノス(東京都中央区)と共同で同設備のO&M(運用…
[2018.11.22 新エネルギー新聞]
[匿名さん]
<ハウス農場とバイオマスでCO2マイナスに 岡山のサラ>
岡山県南西部の笠岡湾干拓地に、国内最大級の13ヘクタールのハウス農場と木質バイオマス発電所が一体になった施設がある。運営するサラ(岡山県笠岡市)は2016年の設立。「未来の野菜カンパニー」を掲げレタスなどの野菜の栽培に励む。
「ここで発電しています」。元カゴメ常務の佐野泰三取締役がバイオマス発電所の火をのぞき込んで話す。施設内で温度や湿度、気流などを複合的に制御して野菜を育てる「植物工場」は珍しいものではないが、サラの大きな特徴はそれが発電所の事業と組み合わさっている点だ。
拠点の「サラファーム笠岡」では、発電した電気でハウス内の作業機器を動かす。電力以外も有効活用し、発電の工程でボイラーから出る蒸気でハウスを冷暖房する。木質チップなどを燃焼させて出たガスは不純物を取り除いた炭酸ガスにしてハウスに送り、野菜の光合成を促している。
出荷しているのは3種のレタスをセットにした「サラトリオ」や、コンビニにもある「プラムトマト」、丸かじりできる「フルーツパプリカ」など。
大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収した木材を燃料に発電し、排出したCO2は野菜に吸収させることで、CO2排出量を実質マイナスにする「カーボンマイナス」がコンセプトだ。技術一辺倒ではなく、例えばトマトの茎の吊り下げ紐への固定やわき芽摘み、収穫などは人手で行う。
年間発電量約8万メガワット時のうち、施設で使うのは約1割。残りは中国電力に売電する。22年12月期だと売上高は野菜で25億円、発電で14億円の計39億円。足元では木質チップなどの燃料の高騰が続く。電気の買い取り価格が割高になる未利用材の構成比を高めるなど、収益改善を図っているという。
創業したのは元岡山県議会議員の小林健伸社長と農業の研究者の和田哲夫氏、佐野氏の3人だ。小林氏が地元でバイオマス発電を組み合わせた施設農業を構想、高校の同級生の和田氏が仕事で交流のあった佐野氏を招いた。
サラファーム笠岡は総事業費約160億円の一大プロジェクトで、日本政策金融公庫のほか中国銀行を中心とする協調融資を受けて19年に完成した。実現性は厳しく審査され「事業計画は何十回と作り直した」(佐野氏)という。
[2023.06.28 日本経済新聞]
[匿名さん]