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円安・ユーロ高によってGDPはドイツに抜かされることになったが、10月に発表されたIMFの世界経済見通しでは、日本のGDP成長率は2023年は実質ベースで2.0%だと推定されている。ドイツが実質0.3%縮小、日本は実質2.0%増加であるなら、日本のほうが経済状況は間違いなくいいということにならないだろうか。
さらに言えば、ドイツ経済は0.3%の縮小というGDPの数値よりも、実態としては明らかに悪いと見るべきだ。実質ベースで個人消費はマイナス0.8%、総固定資本形成はマイナス0.3%、政府支出はマイナス1.7%、輸出もマイナス1.8%となっているからだ。
こうして見ると、GDPの縮小は0.3%よりも大きくなりそうなものだが、そこまで落ち込まなかったのにはカラクリがある。それは輸入もマイナス3.0%と落ち込んだからだ。GDP統計では、輸出はプラス項目だが、輸入はマイナス項目だ。マイナス項目である輸入が減るというのは、GDPを引き上げる作用を果たす。
輸入が大幅に減っているのは、一時期凄まじい勢いで高まったエネルギー価格の落ち込みの影響が強いが、国内の経済状態が悪く、輸入品を以前ほど必要としなくなったことも影響していると見るべきだろう。
輸出の落ち込みを遥かに超える輸入の落ち込みがあったために、GDPのマイナスがかなり帳消しになったというのが、そのカラクリだ。したがって実質的なドイツ経済はもっと悪いと見るべきだ。