🏃🏿‍♀️ 陸上競技

旭化成、窮地救った２０歳小野　ＭＧＣの屈辱から結束—全日本実業団駅伝

2020年01月01日18時45分
６区、旭化成の小野（手前）がトヨタ自動車の田中（奥）を抜きトップに立つ＝１日、群馬県（代表撮影）



　５区を終えてトヨタ自動車と５秒差の２位。ライバルがプラン通りに展開し、旭化成の連覇に暗雲が立ちこめた。この窮地を救ったのが６区の小野だった。
　４キロすぎにかわし、ぐんぐん引き離す。初出場ながら区間記録を３６秒更新する快走。４６秒の大差をつけ、勝利を決定づけた。大分・鶴崎工高出身の２０歳。全国中学駅伝で３０人抜きの経験を持つホープだが、「びっくり。こんなに走れるようになったんだと不思議な感覚」と初々しく喜んだ。
　昨年９月のマラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）に、チームから一人も出場できなかった屈辱を糧に結束した。５区の区間賞で逆転の足掛かりを築いた村山謙は「旭化成はマラソンは駄目と言われ、すごく悔しい一年だった。何が何でも勝たないと、と思った」。４連覇ではあるが、西監督は「やっと勝てた」と思いを口にした。
　昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローがゴールで見守った。今春に東洋大の相沢晃ら有望選手が加入して戦力はさらに充実。１９９０〜９５年に遂げた６連覇の再現を視野に入れる。「これを個人に生かさないといけない」（西監督）。東京五輪に代表を送る弾みはついた。

【スポーツ総合記事一覧へ】 【時事ドットコムトップへ】