ユニセフ=国連児童基金は、エイズウイルスに感染する子どもの現状をまとめた報告書を発表し、エイズに関連した病気で死亡した子どものほとんどが母子感染によるもので、15歳から19歳の死者は過去15年間で3倍に増加したことを明らかにしました。
ユニセフが27日に発表した報告書によりますと、エイズに関連した病気で死亡した子どものほとんどは、母子感染を防ぐ薬が普及していなかった10年前から15年前にエイズウイルスに感染し、その事実を知らないまま10代を過ごしていたということです。
またユニセフは報告書の中で、15歳から19歳のエイズによる死者が過去15年間で3倍に増加したことや、15歳未満の感染者のうち、治療を受けているのは3分の1にとどまることを明らかにしました。
一方で、2014年までにエイズウイルスに感染した妊婦のおよそ6割が、母子感染を防ぐ治療を受けるようになり、2000年以降で130万人近い子どもの感染を防ぐことができたとしています。
ユニセフは声明で「母子感染の防止の成果は称賛に値するが、すでにエイズウイルスに感染した子どもの命を救うためには、早急な対応が求められる」と強調しています。