金沢大学とカゴメの共同グループは、マウスにブロッコリーの新芽に含まれる「スルフォラファン」という成分を混ぜたエサを与えると、体重の増加が抑えられ、内臓脂肪量が減少するといった生活習慣病予防につながる効果を突き止めた。
人間でも今後、実証実験を進めるという。
金沢大の太田嗣人准教授らの研究グループは、マウスを使って、脂肪分の高い餌にスルフォラファンを混ぜたものを14週間与える実験を実施したところ、スルフォラファンを与えたマウスは、与えていないマウスと比べて体重の増加率が約15%抑えられ、内臓脂肪量が約20%減少することを確認。
さらに、スルフォラファンには、脂肪細胞に働きかけてエネルギー消費の増加と脂肪燃焼を進め、体内で炎症を引き起こす腸内の悪玉菌を増やさないようにすることで、脂肪肝と血糖値の上昇を抑える効果があるのを確認した。
これまでの研究でも、スルフォラファンには、体内に取り込まれた化学物質の解毒や、細胞がサビつくのを防ぐ抗酸化力を高めることで、がんを予防する効果があることが確かめられているほか、米国の大学の研究では、無気力や多動などといった自閉症の一部の症状に改善があったことが報告されている。
研究グループは実験結果を受けて、「すでに知られていた解毒・抗酸化作用に加えて、今回新たに肥満抑制効果と腸内細菌の改善効果があることが明らかになった」として、今後は人間での臨床試験を進める方針を明らかにした。
なおこの研究成果は、米糖尿病学会誌『Diabetes』電子版に掲載された。
【日時】2017年02月20日(月) 14:18
【提供】ハザードラボ