🌊 広島災害

３０年間土砂災害を調査してきた広島工業大の森脇武夫教授（地盤工学）は、「大量の雨が広い範囲で降り続き、今までになく災害が起きたエリアが広くなった」と話した。

　森脇教授によると、２０１４年８月の広島豪雨の被害は広島市内が中心で、１９９９年６月の大雨の被害も県西部の限られた地域だったのに対し、今回は県内全域で被害が見られるという。「東広島市では、一見して土石流が起こらないような比較的緩やかな傾斜の山でも土石流が起こった」と説明する。数日間降り続いた大雨は、専門家でも想定しにくい場所でも災害を発生させた。

　森脇教授が現地で確認した東広島市内の土石流現場では、花崗岩（かこうがん）が風化してもろくなった「まさ土」が崩れていた。まさ土は、中国地方に広く分布する。

　土石流が起こった渓流や土砂崩れの現場に、流れたり崩れたりせずに残っている土砂もあるという。森脇教授は「今後の雨で残った土砂が崩れる恐れがある。これからの雨にも気をつけて、避難する意識を高く持ってほしい」と注意喚起している。