🚓 警察

警察によりトイレを盗撮されたという女性から告発があった。薬物使用の疑いをかけられ任意同行で警察署まで行き、警察署内のトイレで採尿をした際に盗撮カメラを発見したというものだ。
カメラは芳香剤の中に隠されていた。警察官による不祥事発覚かと思われたが、実はこの盗撮は捜査上のもので合法だと説明を受けたという。
薬物事案の尿検査では、従来は被疑者に同性の警察官がトイレ内に付き添い、採尿の様子を直接確認することにより不正がないことを確認していた。
しかし、警察官に凝視されることにより被疑者が緊張してしまい、尿を出せないケースが続出。被疑者が女性の場合に多く、個室ドアを開けさせた状態での採尿となるため、緊張により尿が出せなくなり採尿に数時間を要するケースもあったという。
そのため、採尿の手法を見直し、同性の警察官による立ち会いに代えてトイレ内に隠しカメラを設置。遠隔による監視と録画を行っていたものだという。被疑者が緊張せずに採尿できる環境を整えるほか、撮影したデータを証拠として裁判で活用する狙いもある。
たとえ捜査のためであってもトイレ盗撮は犯罪ではないかとの女性の問いに対して、盗撮を禁止している法令は、軽犯罪法と都道府県の迷惑防止条例だが、いずれも「正当な理由なく」他人のトイレ等を無断で撮影することの禁止。犯罪捜査の効率化及び証拠保全のためであれば、「正当な理由」としてトイレの録画をしても違法にはならないと女性は説明を受けたという。
尿鑑定の結果、薬物反応は検出されず、女性の無実は証明された。
しかし、女性が芳香剤に隠されたカメラを発見したのは採尿を終えた後で、便座の正面に置かれていたため、採尿の一部始終を正面から全て撮影されたことになり、屈辱で精神不安がしばらく続いたという。
採尿時に遠隔でトイレ内を監視していたのは女性の警察官だったというが、録画もされていたため、男性警察官が映像を再生するのではないかとの不安もある。
被疑者に対する捜査とはいえ、その全てが犯罪者ではなく、女性のように捜査の結果無実が判明するケースもある。嫌疑がまだ不確定な被疑者に対して、トイレ個室内の録画をすることが果たして適正な捜査といえるのか、検討の余地があるだろう。