「みすゞ潮彩よ 永遠に……」というメッセージを掲げ、別れを惜しむ鉄道ファンもいた=29日午前10時9分、山口県下関市のJR下関駅、上山崎雅泰撮影
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山口県の日本海側を走るJR西日本の観光列車「みすゞ潮彩」が29日に運行を終え、下関駅でラストランの式があった。JRは車体を改造し、夏ごろに新たな観光列車として生まれ変わらせる。
下関市の新下関駅と、童謡詩人・金子みすゞの出身地で知られる長門市の仙崎駅を2007年7月から結んできた。土日と祝日に1往復だけの運行だが、大海原の眺めや車内のイベントが人気を集め、これまでに約73万人が乗った。
式でJR西日本広島支社の幹部は「地域の皆さんのおもてなしの心で運行できた」。地元の小学生たちが「みんなちがって、みんないい」の一節で知られるみすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」を合唱した。
車内でみすゞの生涯、巌流島の決闘の紙芝居を上演してきた中川真津恵さん(67)は「全国から多くの観光客に紙芝居を見てもらえた。寂しいけど、楽しい思い出になった」と話した。