🐰読売ジャイアンツ選手

●起用法に不満

「最近、勝負どころで崩れていたが、それを止められたのは進歩」

　２５日のオリックス戦に先発した高橋尚が６回３安打２失点で３勝目。お立ち台で笑顔がはじけた。原監督は「６回２点というところでいいんじゃないでしょうか。本人の中では反省すべき点もあるだろうが、内容は良かった」と２四球、１失策に苦言を呈しつつも、及第点を与えた。

　先月２６日、突然二軍に落とされた。２５日の中日戦は６回１失点と好投していたため、持病の腰痛再発かと思いきや、違った。理由は「中継ぎ陣増員のため」。さるチーム関係者がこう言う。

「４月２５日に投げた高橋尚は、ローテの順番では５月２日に中６日で先発するはずでした。しかし、２６日に投げたグライシンガーは中５日が得意。１日は試合がなく、２日に中５日でグライシンガーを投げさせたい首脳陣は、高橋尚の先発を１回飛ばさなくてはならなくなった。それならば中継ぎを増やそうと、高橋尚を二軍に落としたともっぱらです。チーム事情では仕方ないとはいえ、タイトルを取ったこともあるベテランには屈辱的。もちろん原監督や尾花投手コーチが説得したようですが、若手のような扱いをされ、高橋尚が面白いはずはありません」

　６日に一軍に再昇格したものの、高橋尚は「ずっとモヤモヤしていた」と不遇な二軍生活を振り返っている。

　昨季、国内ＦＡ権を取得し、昨オフの契約更改では球団から「ＦＡ権を使い、複数年契約での残留」を提示されたが固辞。単年契約を結んだ。「いろんな経験をしたい。メジャーも選択肢のひとつ」と今オフ、取得する海外ＦＡ権で海を渡ることを視野に入れている。

「もともとメジャー志向は強くなかったが、昨季二軍で上原とともに調整している間に考え方が変わったようです。来るべきオフに備え、関係者や上原を通じ、メジャーの情報収集を始めています」（球団関係者）

　実績のある日本人左腕は、使い勝手がいいとメジャーでも評価される。今後の起用法次第では、巨人のユニホームは今季限りの公算が大きい。