人類の祖先はアフリカで誕生し、500〜700万年前くらいに類人猿と分かれて進化を始めたというのが、従来の定説だったが、米国の大学やブルガリア科学アカデミーなどの国際共同チームが、東地中海のバルカン半島で約720万年前の人類の下あごの骨の化石を見つけたと発表した。
人類の歴史が、根底から覆るかもしれない…。
米トロント大学やブルガリア科学アカデミーなどの国際チームは、22日付の科学誌『PLOS ONE』で、ギリシャのアテネとブルガリアのアズマカ湖で発掘された下あごの骨と上あごの小臼歯の化石を、コンピューター断層撮影して内部構造を解析した結果、717万5000年前から724万年前のヒト属のものだと結論づけた。
二つの歯根は、アウストラロピテクスとそれよりも古いアルディピテクスの特徴を合わせ持っており、現生人類につながる最古のヒト属である可能性が高いという。
研究チームは、「人類の祖先が地中海で誕生したことを示唆する大発見だ」と驚いている。
一方、米テネシー大学の研究者はこれら二つの化石が見つかった地層の地質学的分析を実施。
その結果、少なくとも500キロ以上離れているにもかかわらず、北アフリカのサハラ砂漠に分布する赤い砂塵が含まれていることが判明した。
砂塵の量は、1平方メートルあたり250グラムと、21世紀の西アフリカの砂漠に匹敵する量で、これは南ヨーロッパで過去10年に降った砂塵の量を大きく上回っている。
また、砂漠の砂塵が見つかった地層には、海の塩も多く含まれていたことから、チームは「サハラ砂漠は、今から720万年前に劇的に面積が広がり、それに伴って砂漠の砂が風で運ばれて地中海の先まで運ばれた可能性がある」と指摘している。
【日時】2017年05月24日(水) 16:04
【提供】ハザードラボ