伊豆諸島の八丈島と青ヶ島では、30日から噴火警戒レベルの運用が始まる。
噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて、警戒範囲や防災対策を5段階に分けて発表するもので、国内では41の火山で運用されている。
八丈島は東京都から約280キロ、青ヶ島はそこからさらに80キロほど離れた伊豆諸島最南端の火山島だ。
東山(三原山)・西山(八丈富士)のふたつの火山がつながってできた八丈島。
東山は3700年前の噴火を最後に活動記録がないが、西山では15世紀から17世紀にかけて複数回の噴火があり、1606(慶長10)年1月の海底噴火では、火山島が形成された記録がある。
近年では2002年に西山から北西沖を震源とする地震活動が活発化し、八丈島が東へ5センチ移動する地殻変動が観測されている。
これは西山の地下深くにマグマが貫入したのが原因だと考えられており、2015年には海岸線付近で海水の変色が観測されている。
一方、青ヶ島は世界的にも珍しい二重カルデラを持つ火山島だ。
島の周囲を要塞のように取り囲む外輪山のカルデラの中央には、小高い丘のような内輪山がそびえ立つ。
3000年〜2000年前に活発に活動し、江戸時代にも複数回のマグマ噴火があった。
1785(天明5)年のマグマ噴火では、島民327人のうち、140人近くが死亡したと推定されており、残りは八丈島に避難し、以後半世紀近く無人島になった。
海上保安庁の観測では今年3月にも周辺の海岸線で黄緑色の変色水域を確認しているという。
現時点で火山性地震や火山性微動などの大きな変化はないため、噴火警戒レベルは「1」の「活火山であることに留意」が発表される見通しだ。
これで噴火警戒レベルが運用されるのは、全国で41火山となる。
【日時】2018年05月30日(水) 12:33
【提供】ハザードラボ