アメリカの国民的オーディション番組『アメリカン・アイドル』シーズン10で注目を集めたヨージ・ポップことヨージ・アサノが、強姦未遂容疑で有罪判決を受けていた上に、ビザ切れで日本に強制送還されていた事実が明らかになった。
『アメリカン・アイドル』出演者の中には、逮捕歴のある者、その後逮捕された者も少なくないが、ヨージの場合は性犯罪ゆえに「とんでもない男だ!」と非難の声が噴出。
番組自体にバッシングの嵐が巻き起こっている。
米FOX局にて2002年から16年まで放送され、シーズン15をもって幕を閉じた『アメリカン・アイドル』が、今月11日から局を米ABCに移して復活した。
だが、セクハラを告発されているライアン・シークレストを司会者として復帰させて批判されたり、「ファーストキスは恋人のためにとっておきたい」と明かす保守的な家庭に育った出場者に、審査員のケイティ・ペリーが強引にキスをして「セクハラだ」と問題になるなど、世間から批判を浴びまくり。
「幸先のよくないスタートだ」と冷めた目で見られている。
そんな『アメリカン・アイドル』に登場した日本人の男が、性犯罪者になった挙句、母国に強制送還されていたと報道されたのだ。
その結果、「セクハラどころではない」と番組自体が叩かれる事態へと発展している。
米大手ゴシップ芸能サイト「RadarOnline.com」によると、11年に放送されたシーズン10の一次審査に登場したヨージ・アサノが、強姦容疑で有罪になった後、ビザ切れのため昨年12月11日に日本へ強制送還されていたという。
アメリカ合衆国国土安全保障省の報道官レイチェル・ヤング・ヨウは、同サイトの取材に対して、「日本の市民であり日本国籍を持つヨージ・アサノは、非移民ビザで入国したもののビザの期限切れ前に合衆国を出国しなかった」「彼は16年8月10日に、ニューヨーク市の最高裁判所であるニューヨーク郡裁判所で第一級強姦未遂による有罪判決を受けていた。判決は、6年間の保護観察処分。性犯罪者として登録もされた」「そして、ヨージは17年11月1日に移民税関捜査局に身柄を拘束され、12月11日に母国へ強制送還された」と説明している。
警察によると、ヨージは「数日間自宅に滞在させてくれた女性の家で、真夜中にベッドの中に忍び込み、力づくでセックスをしようとした。彼女が抵抗すると、彼は走って建物の外に逃げた」といい、恩をあだで返すとんでもない男だったと伝えられた。
この事件の数日前、ヨージはニューヨークのアポロシアターで開催されるアマチュアパフォーマーの登竜門「アマチュアナイト」に出場していた。
チャック・ベリーの名曲「ジョニー・B・グッド」をパフォーマンスしたが、内容は最悪で観客をドン引きさせたと「RadarioOnline.com」は伝えている。
ヨージはもともと、『アメリカン・アイドル』で最初に各地で行われる、大勢の人たちが参加する一次審査に出場していた。
「自分がイケていると勘違いしている変な奴」枠で番組に採用され、数秒だが紹介ビデオまで制作してもらい、ステージに登場した。
「我々は10シーズンにわたり“強烈で、準備万端、鍛錬された人物”を探し求めてきた」というナレーションとアジアチックなバックミュージックが流れる中、ヨージはカンフーとも太極拳ともつかない奇妙な動きをし、ガチョウを追いかけウォームアップする紹介ビデオが流れた後に、オーディションステージに現れた。
若かりし頃の安全地帯・玉置浩二のような風貌の彼は、審査員のジェニファー・ロペスに「お名前は?」と問われ、「ヨージ・アサノ、またの名をヨージ・ポップです」と緊張する様子もなく、余裕たっぷりに答えた。
そして25歳の学生であること、日本出身であることを明かし「2歳の頃からマイケル・ジャクソンを真似してきました。いや、生まれる前から、母の胎内にいた頃からです」とドヤり、「でもマイケルの曲はやりたくない。大嫌いな『Party in The USA』をやる」と言い放ち、マイリー・サイラスの曲に、マイケル・ジャクソンの真似であろうくねくねダンスを合わせて披露。
ダンス好きなジェニファーはノリノリ、親日家のエアロスミスのスティーヴン・タイラーはニコニコ、大物プロデューサーのランディ・ジャクソンも笑顔を見せ、審査員全員が好印象を抱いたかに見えたが、ヨージの歌唱力がまったくだったため、次のステージには進めなかった。
数分間しか登場しなかったものの、世界中で放送されている人気番組だけに、彼の異様なパフォーマンスは世界で注目された。
SNSでヨージをおもしろおかしく真似する者も現れ、一躍時の人となった。
11年にはヨージ・ポップの名でiTunesからファーストシングル「The Power」をリリース。
すでにマイナーになりつつあったmixiでも、応援コミュニティが作られた。
当時、ヨージは日本の芸能サイトの取材にも応じている。
『TVGroove.com』で公開されたメッセージ動画では「自分はシンガーソングライター」とネイティブ風の発音でドヤり、リリースしたばかりだった「The Power」のセールストークを展開していた。
「影響を受けたザ・ビートルズ、マイケル・ジャクソン、サンタナ、日本のマリスミゼルのテイストが含まれた曲になってる」と説明し、自分の曲も歌ってみせた。
またこのインタビューでヨージは「2秒後死ぬかわからないような中で生きているから今後の活動は不明」と言い、「アメリカで大きな成功を収めたら必ず日本に持って帰るから、待っててくれ」と語っていた。
「今後の活動は不明」なのは、レーベル事務所からオファーが来ていないためだったのだろうが、そのわりにはヨージは自信まんまんの表情を見せていた。
だが話題になったのは一瞬だけで、その後、再び表舞台でスポットライトを浴びることなく、強姦未遂で逮捕された直後に米大手新聞「ニューヨーク・デイリーニュース」が報道した記事もさほど話題にならなかった。
しかし今回あらためて表に出たヨージの性犯罪報道は、復活したばかりの『アメリカン・アイドル』に対する批判の波に乗って注目を集め、「強姦未遂なのに刑務所にぶち込まれていないのはなぜなのか?」「刑務所でボコボコにしてから国外退去させるべきだった!」と怒りを買っている。
「誰でも平等にチャンスを与える」をモットーとしている『アメリカン・アイドル』出場者の中には、犯罪を犯す者、犯した者もちらほら存在する。
シーズン2でセミファイナルまで残ったジャレッド・アンドリューズは、バーでのけんか相手を死亡させた容疑で逮捕されていた過去を隠しており、途中で失格になった。
シーズン5で1次予選をパスした双子のブリッテナム兄弟は、偽名を使って車を購入し逮捕されたため失格。
シーズン11でトップ12入りしたジャーメイン・ジョーンズは、過去の暴行罪による逮捕歴を隠していたとバレて失格に。
シーズン2の出場者で、審査員のポーラ・アブドゥルとウワサになったコーリー・クラークは15年にDV容疑で逮捕。
シーズン13のファイナリスト、C.J.ハリスは16年に薬物所持容疑で逮捕……と、ほかにも数多くの出場者が薬物や暴行事件絡みで逮捕されているのである。
昨年12月の初めには、シーズン4で10位に終わったジェシカ・シエラが、風紀びん乱行為などで逮捕された際、警察官に「フェラチオしてあげるから見逃して」と言ったと報道されていた。
ジェシカはかつてセックステープも流出しており、「彼女ならやりかねない」と全米からうんざりされていたが、その頃ヨージは人知れず国外退去となっていたわけである。
ネット上では、ライアンやケイティ、そしてヨージにジェシカのおかげで『アメリカン・アイドル』にセクハラや性犯罪のイメージがついてしまったと考える者が多く、「今シーズンで終わりにすべき」「復活すべきではなかった」と言われている。
不法滞在を続けながらアメリカン・ドリームを追っていたものの、性犯罪者となり強制送還されたヨージ。
現在日本のiTunesでは、ヨージが15年10月にリリースしたシングル「You」のみが視聴可能な状態となっている。
【日時】2018年03月19日(月) 20:33
【提供】サイゾーウーマン