📖 創作･携帯小説

>>970 ここまで考えて優子は、今起きてる事に改めて恐怖を感じた。優子の考えてる事が確かなら、［優子］の狂気な行動が、何の関係もない麻希まで死なせてしまった事になる。 (一体誰がこんな事を…) 少なくても優子の周りに自分に似てる人間はいない。 だが麻希が死んだとなると、［優子］は麻希や優子の身近にいるという事を示してる。優子は震える気持ちを落ち着かせるために、ベランダに出て新鮮な空気を吸い込んだ。 そしてある結論に達した。 「翔大に連絡しておかないと」 優子はスマホを手に取り平野に電話をする。この時間なら、まだ平野は家に居るだろう。 「もしもし。おはよう翔大。今…大丈夫？」 「ああ。少しなら大丈夫だよ。どうした？何かあった？」 「テレビのニュース見た？」 「ニュース？いや、まだ見てないけど？ニュースがどうかした？」 「う…ん。今ね。ニュース見たら…麻希が自殺したって」 「ええっ!?何？冗談だろ!?」 「本当よ。本当に麻希が自殺したの」 「何で…？何で麻希さんが自殺するんだよ！昨日優子が会った時には、そんな素振りは無かったんだろ？」 優子は平野の言葉に少し躊躇ったが 「翔大には話さなかったけど…。麻希も、色々アメリカで悩んでたみたいなの。詳しくは言わなかったけど。日本に帰って来たのも、そうした事があったからかも知れない」 口から出任せだったが、麻希の事は平野も解らないから上手く誤魔化せるだろう。だが、この出任せが 的を得ていたのを優子が気づくのは、ずっと後になってからだった。