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😎 宮崎不良・族


No.3518792
#156
モロッコの辰4
ましてやその青筋が浮かんだあとに、ニヤリと例のスマイルを見せたときにはもはや手のほどこしようがなかった。そうなると、モロッコに怒りを向けられた相手は、万事休すといってよかった。
「おまえらの喧嘩を、大河原(仮名)のところの若い衆が二人で見てながら、手も貸さずに黙ってズラかってしまったというじゃねえか」その件は小島が報告したものではなかった。すでに誰かがモロッコの耳にいれておいたものだった。きっとアチャコあたりに違いなかった。
「小島、それは本当だな」「・・・ハイ。だけど、連中にも何か事情があったのかも・・・」「小島、おまえがかばうこたあねえんだよ」モロッコはニヤリと笑った。
小島の背中を冷たいあせが流れた。青筋のあとにニヤリとくれば、大河原の運命も決まったようなものだった。「兄貴ーーー」モロッコはまだ青たんのとれていない小島の顔を見ながら、つぶやいた。
「小島、おまえが許しても、オレが許さないといってるんだ」このときから大河原桂造はモロッコに厳しい追い込みをかけることとなったのである。大河原桂造といえば、横浜ではやはりいい顔だった。大物愚連隊の一人としてその名が知れ渡っていた。
その大河原の若い衆が二人、たまたま根岸家騒動の折、根岸家の前を通りかかり、塚越たちと米兵との喧嘩を見たにもかかわらず、助っ人に加わることなくそのまま通りすぎてしまったということが、モロッコの逆鱗に触れてしまったのである。


[ 匿名さん ]
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