転載記事↓
新型コロナウイルスの感染者が多発したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の内部に入り、「カオス状態」と告発した神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授(48)。
生々しい内容に賛否両論が巻き起こり、教授は2日後に動画を削除した。しかし、陰性とされて下船した乗客がその後に陽性となるケースが国内外で相次ぎ、教授の警告どおり船が「ウイルス培養器」と化していたことが明らかになった。
我々はどこで間違ったのか。政府や自治体が取るべき対策は何か。27〜29日、岩田教授に電話とメールで聞いた。
【國枝すみれ/統合デジタル取材センター】
——安倍晋三首相が全国の小中高校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請しました。
これは感染拡大を防ぐために有効でしょうか。
◆小児の発症、重症化が少ない中で、学校だけ休むのは合理的ではありません。小児患者が発生している北海道は理解できなくもありませんが。
休校を正当化するならば、その方策がもたらすゴールをはっきりさせる必要があります。
休校で感染をゼロにするとか、1日何人まで減らすとか。
そういう目標設定がちゃんとあり、その背後に根拠があれば、事後的に政策の成否が分かります。
それなしに、ただ「やる」と言われても、その成否は事後的に判然としません。クルーズ船のときと同じ、「みんながんばったね」が残るだけです。
ゴールが見えず、ただ場当たり的に政治的判断がなされており、「科学よりも政治」という、またしても悪い前例となってしまいました。