ウイルス感染なので、もちろんウイルスには
もともと宿主特異性があります。
ヒトのウイルスはヒトにしか感染しませんし、
サルはサル。ネコはネコにしか感染しません。
これはウイルスの持つ遺伝子(RNA)が宿主のDNAに
適合できないからです。
これは鳥インフルエンザの考え方と同じですね。
でも、より遺伝子構造の近い生物種の場合、
生物種を超えたウイルス感染をすることはあり得ます。
例えばオナガザルの仲間とチンパンジー。
チンパンジーはヒトのウイルスに罹患します。
するとチンパンジーの体内でSIVはヒトへの感染能力を持ち、
HIVへと変わります。
チンパンジーはこのSIVに感染はするものの、発症はしない
ようです。ということは想像するに、ヒトはまだ、
このHIVと出会ってから、あまり時間が経っていないから。
と考えられるのではないでしょうか。
時間というのは人類史的な時間ではなく、地球史レベルです。
ただし、チンパンジーがSIVを駆逐しているのだとすれば、
そのシステムを研究すると、打開策へのヒントになるはずです。
ちなみにネコのFIVに対する有効なワクチンも、
まだ存在はしないようです。
インターフェロンを用いてFIVを弱体化し、
自身の免疫能力を高めて封じ込めようという療法が
とられているらしいです。
外出するネコちゃんは生傷の心配がつきませんから、
いち早くFIVを撲滅できるワクチンができるといいですね。
