感染者遺族 霊きゅう車使えず
国内各地で猛威を振るう新型コロナウイルスに感染し、死亡した80代男性の遺族が6日までに時事通信の取材に応じ、「窓越しに防護服を着て臨んだ」と面会の様子を振り返った。
認められたのは、隣接する部屋の小窓越しの面会。防護服や高性能マスク、ゴーグル、手袋、靴カバーの着用を求められ、ウイルスの付着を警戒してスマートフォンの使用も禁じられた。
男性は人工呼吸器を付けベッドに横たわっていた。窓越しのため、声を掛けることもかなわなかった。面会時間はわずか数分。「おじいちゃん、頑張って」。回復への望みはかなわず、男性は翌日死亡した。「肩で呼吸をする感じでしんどそうだった。別人のように顔がパンパンに腫れていた」。男性の最期を思い出すと、今でも涙がこぼれる。
自治体の紹介で、感染者を扱った経験のある業者に火葬を依頼したが、新型コロナウイルスの感染を告げるとちゅうちょされた。遺体は防疫のため専用の袋に包まれ、顔を見ることができなかった。霊きゅう車の利用も拒まれ、業者が用意した別の車両で火葬場に搬送したという。
うなぎいぬ