今日、初めて食べた。
テレビでパティシエを見て正直、気に入らないので、難癖つける気持ちで悪い先入観の中、食させてもらった。
単刀直入にめちゃくちゃ美味かった。
見た目は見事な出来栄えである。妥協の無いディテールで、シンプルでありながら、こだわりと安定感を両立させた構図。
肝心な味は、土台、中心核、内層、外層で構成されており、中心核は季節感を感じさせる甘味や酸味を強く感じさせるようになっている。他の部分は甘さは控えめで仕上げていて、それぞれテクスチャーが異なる。
全てを口に放り込むとハーモニーを奏でるが如く、香りが過去の記憶を誘い、異なる食感、甘味が映像を鮮明に浮かびあがらせる。
控えめな甘さが、次から次へとフォークを進ませ、コーヒーを飲むのが勿体無いと感じさせる。
そしてもう一個もう一個と欲望を湧き立たせる。
食事において、ピリオドに当たるデザートという概念から逸脱した、まるで娼婦の様なケーキであった。
さまざまななケーキ食してきたが、ここのケーキは異質である。
柴田氏に対して好感は持てないが、彼が生み出したケーキは紛れもなく本物であり、スキップをしたくなるウキウキさせるケーキである事は間違いない。
心よりご馳走様でした。
