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🕊️戦争と平和

NO WAR、STOP WAR

No.5324933
#4

■戦争は弱者を殺す

このように戦争は、多くの人々から職業や地位を奪い、移動を余儀なくさせた。
しかし、もといた地位によって、事情は違っていた。そもそも、徴兵率には階級による違いがあった。
同じデータによると、徴兵対象となる年齢層の人々のなかで、一度でも兵役を経験した人々の比率は27%だが、これを1935年時点の所属階級別にみると、資本家階級22%、新中間階級21%、労働者階級34%、自営業者層19%、農民層22%だった。
つまり兵役経験率は、所属階級によって最大で2倍近くも違っていて、労働者階級はとくに徴兵されやすかったのである。
だから戦争は、とくに労働者階級の人生に大きく影響した。職業的キャリアを断ち切られることが多かったからである。そのなかには当然、戦争によって人生そのものを断ち切られることも含まれる。
1965年SSM調査では、回答者の兄弟全員について、自分との年齢差、学歴、職業、そしてすでに死亡している場合には死亡時の年齢を尋ねている。これを用いれば、所属していた階級別の死亡率を時期ごとに算出することができる。
これを示したのが、図2である。生存率と、主に戦死・戦災死と考えられる戦中期(1937〜45年)の死亡率については、数字を付しておいた。

(図2:兄弟の所属階級と死亡状況/出典)1965年SSM調査データより算出。分析対象は1965年時点で45〜64才の兄弟)
労働者階級の生存率は74.9%で、きわだって低い。そして戦中死が14.6%と、他を大きく上回っている。戦争は、必ず弱者を殺す。今日への教訓である。


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[ 匿名さん ]
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