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北海道は蝦夷梅雨ではない本当の梅雨に警戒を
饒村曜 | 気象予報士/青山学院大学・静岡大学非常勤講師
梅雨のない北海道と蝦夷梅雨
北海道には梅雨がないといわれ、気象庁の梅雨入り・梅雨明けのリストには北海度は入っていません。
北上する梅雨前線が北海道を通る頃には弱まったり、しかも足早であることから北海道では、梅雨と呼ばれる現象が顕著ではないからです。
しかし、年によっては、梅雨に似た現象が現れることがあります。オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の境目である梅雨前線が、東北地方まで北上して停滞しているとき、雨雲が北海道南部にかかることで、本州の梅雨のように、湿度の高い雨や曇りの日が続くときです。ただ、希な現象であるということで、北海道では梅雨がないとされてきたのです。
一方、蝦夷梅雨(えぞつゆ)という言葉があります。5月下旬から6月上旬にかけ、オホーツク海高気圧の影響を受け、湿度が高くて小雨や曇りの日が10〜15日ほど続き、日照不足になる現象です。時には急に冷え込み、肌寒くなるので、「リラ冷え」とも言われます。リラ(ライラック)の花が咲く頃の現象だからです。
梅雨と蝦夷梅雨(リラ冷え)は違うものです。東北北部まで梅雨に入ったから、そろそろ北海道も蝦夷梅雨に、ということにはなりません。
美砂