>>206
ジェノサイバーは1993年にVHSビデオ版が発売されたOVAアニメ。
子供部屋に専用ビデオデッキを持っていて数千円のビデオ作品を購入できるような、結構金持ちのマニアでないと見れなかったのではと思う。
自分はその頃は自分専用のテレビもなかったし、映画は連れて行ってもらえなかったし、映像作品は図書館の映画コーナーで妄想するのがメインだった。
1993年というと1999年のノストラダムスが迫っているし、何か世紀末的で終末的なとてつもない作品を作りたいという機運が高まっていた時期で、クリエイターも暴走しまくっていたのだろう。
アニメにCG技術が導入され始める直前くらいの時期で、セルアニメ表現の到達点にいたアニメーターたちが、ありあまった表現技術を駆使してアニメ表現の極限に挑戦したのだろう。
高度経済成長が頭打ちになり、バブルが弾ける前夜。爛熟した80年代文化の果てで世紀末にのぞむ。もうすぐ世界が終わるような感覚。昭和天皇崩御で昭和が事実上の終焉を迎え、ソ連もベルリンの壁も崩壊し、冷戦が終わった。宮崎勤フィーバーでオタクロリコンアニメ文化がマスコミの槍玉に上がり、オウム真理教が政権参入を試みたが破れ、次のハルマゲドン計画へ突き進んでいた頃。冷戦による核戦争がないとすると、人類はいったい何の脅威によって滅びることとなるのか！？クリエイターの妄想はセル画やマンガ誌面で暴走し続けた。
