27日午前8時20分ごろ、福山市神辺町道上のアパートの一室で「人が倒れている」と男性から110番があった。福山北署員が現場に駆けつけると、同所の会社役員若嶋真一さん(45)があおむけに倒れており、死亡が確認された。現場の状況から広島県警は殺人事件とみて同署に捜査本部を設置した。
同署などによると、室内に争ったり金品を奪われたりした形跡はなかった。捜査本部は関係者らから話を聞くとともに、28日に遺体を司法解剖して死因を詳しく調べる。
若嶋さんはアパートの住人ではなく、若嶋さんと仕事で関係のある別の会社が寮として借り上げ、部屋には別の男性が住んでいた。若嶋さんが仕事の待ち合わせ場所に来ないのを関係者が不審に思い、アパートを訪ねて遺体を発見したという。
若嶋さんは26日は通常通り出勤し、帰宅後は家族と夕食を取っていた。
現場はJR道上駅から北西に約600メートルで、住宅や畑が並ぶ一角。事件を受け、近くの道上小では、児童約570人が保護者らに付き添われて下校した。6年女児と4年男児を迎えに来た父親(44)は「ただただ怖い。子どもは遊びたいだろうが、外出させないようにしたい」。6年男児の母親(52)は「子どものためにも早く解決してほしい」と話した。