爆サイ.com 四国版

📔 日記・今日の出来事


No.11114809
合計:
#371
九月に入っても、相変わらず暑い日が続いてた。

私は両手に荷物を下げ、横断歩道で信号が変わるのを待っていた。
ビルが照り返す夕陽が眩しかった。

気が付くと、私のすぐ前の車道ギリギリに小学生くらいの男の子が立っていた。
車道に近過ぎるのが気になったが、注意はしなかった。
その子が普通の子供じゃ無いのが解ったからだ。

この子はいつからココに居るんだろう。
そう思った時、子供が私を振り返った。
私はその子の顔を見てギョッとした。顔が半分潰れていたのだ。

あぁ、こないだの交通事故はこの子だったのか・・・

ねぇオジサン。僕はもう行くけど、オジサンも一緒に行く?
その子は思い掛けないくらい明るい声で言った。

悪いね、まだオジサンは行けそうに無いんだよ。一人で行ってくれないか。
その子は少し悲しそうな顔をして俯いてしまった。

歩行者用の信号が青に変わると、その子は「じゃぁね」と手を振って横断歩道へと駆け出した。
そして、半分くらい行ったトコロで「すうっ」っと消えた。
夕陽はビルの陰に隠れてしまっていた。

やがて日が暮れても、私はずっとココに立っているのだろう。

何時から立ってるのか、なぜ立ってるのか、もう思い出す事も出来ない・・・


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