なぜ間違った医療情報を信じてしまうのか エビデンスよりも「物語」を好む心理
原田隆之筑波大学教授
2021/8/25(水) 9:00 Yahooニュース
news.yahoo.co.jp/byline/haradatakayuki/20210825-00254911
より一部抜粋
矛盾する2つの意見
新型コロナウイルス感染症に対しては、専門家からさまざまな情報がもたらされ、その情報の洪水のなかで「何を信じてよいのか」と溺れそうになっている人が多い。特に、別々の専門家から矛盾する情報が発せられたとき、あなたはどちらを選ぶだろうか。
下の2つの例を見ていただきたい。
医師A
私はコロナ患者をこれまで500人以上も診ています。毎日24時間体制でコロナ患者に対応しており、疲弊しきっていますが、それでもそれが私の使命だと思って全力を尽くしています。そのため、これまで1人の死亡者も出したことがなく、誰よりも適切に治療に当たっているという自信があります。その私が断言します。○○をすれば、すべて解決します。
医師B
私は医師ですが、研究部門におりますので、直接コロナ患者を診ていません。しかし、現場の医師とたえず情報交換を行っています。毎日コロナに関する世界中の論文を読んでおり、もう500本以上は読んだかと思います。そうした知見を元に申し上げますが、○○をすることを支持するエビデンスは今のところありません。
さて、あなたは医師Aの意見と医師Bの意見、どちらを信じるだろうか。