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イタリア北東部の港町で今月22日、上空に津波のような巨大な雲が出現し、激しい雷雨とともに、ひょうを降らせた。
この写真が撮られたのは、アドリア海に面する港町マンフレドーニアだ。
長靴の形にたとえられるイタリア半島の足首のでっぱり部分に位置するこの街は海の幸を求めて訪れる海水浴客で賑わう人気のリゾート地として知られる。
スタジオジブリの『紅の豚』の舞台にもなったアドリア海は、ふだんは穏やかな碧い海が広がるが、この日は巨大なロール状の雲が出現したせいで、港を望むカフェはガラ空き状態になった。
正体は英語で「シェルフ・クラウド(棚雲)」と呼ばれる雲。
ひっくり返したお椀の下半分だけが見えたようなアーチ型をしていることからアーチ雲とも弓雲とも呼ばれるが、大気が不安定になって、寒冷前線が局地的に発達したときに、積乱雲の下に出現することから、危険を察して建物内に逃げ込んだマンフレドーニアの市民は大正解だ。
この影響で近郊の田園地帯では大粒のひょうが降り、農作物をダメにする被害も報告されている。
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