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「正直言って、今年は小粒だったね……」
甲子園のバックネット裏でこうタメ息をついたのはセ・リーグの某スカウト。
今年の高校生のドラフト1位候補は大阪桐蔭の森友哉捕手と、桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手くらいだという。
そのうち松井は神奈川予選で敗退したから、甲子園での目玉は森ひとり。
スカウトたちがアクビをするわけだ。
その森は初戦で2本塁打を放つなど存在感を示したものの、甲子園で評価が上がったということはない。
「バッティングは申し分ないが、強いて言えばリード面。強気な攻め方をしますが、まだ外角一辺倒の偏ったリードが目立つ」とセ・リーグのあるスカウトは言う。
甲子園に来てから森を1位候補から外したというパ・リーグのあるスカウトはこう言った。
「森は阪神さんにあげますよ。打席での構え方や振る舞いが投手に対して挑発的というか大げさというか……変に格好付けている。ああいうのはいかがなものかな。もちろん性格面も判断材料となります」
投手はみなドラフト下位指名候補。
広島大会決勝戦で再試合を含む2試合24回を完封した山岡泰輔投手(瀬戸内)、甲子園初戦で自己最速の148キロをマークした古川侑利(有田工)の2人は3〜5位候補ともいわれるが、「山岡は身長172センチと、右投手としては体が小さく、左の強打者が多いプロでは厳しいかもしれない。左投手ならまだ通用するかもしれないが……こういうタイプは大学や社会人で実績をつくってからプロを目指した方がいい」とはセ・リーグのあるスカウト。
パ・リーグの某スカウトは「古川は変化球を投げるときに腕の振りが緩むし、まだ体に芯がない」と話す。
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