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📖 創作・携帯小説


NO.4749119
湘南ラブストーリー

「あの夏
僕らは君に出逢って変わった」



朝焼けが通り過ぎた湘南の海を、真夏の陽射しが照りつける。
朝とはいえ、もう30度近くに気温は上がっていた。

大場俊介は波に乗りながら、その陽射しを身体に浴びる。
サーフィンをしてる時は、俊介は何もかも忘れられた。
この時間が俊介の拠り所だった。

「俊!」

俊介がサーフィンを終えて浜に戻ろうとすると、俊介の幼なじみの牧原ゆかが、俊介の名前を呼んで手を振っていた。

「呆れた。こんな朝早くからサーフィン?」
ゆかが言うと、俊介は濡れた髪をかき上げながら

「朝早くやるからサーフィンなんだよ。もう、海水浴のシーズンは始まってるし」

「そっか。今日からあたしたちも[海開き]だもんね」

ゆかは海を見つめる。俊介もゆかにつられるように海を見た。

あれから俊介は、何回目のシーズンを迎えるだろう。
俊介には待つ女性がいた。いや正確には、俊介が勝手に待ってるだけかも知れない。俊介は、その女性との出逢いを回想した。
役者になることを目指していた俊介だが、そう簡単に有名に成れるほど芸能界は甘くない。養成所の後輩たちが、名前のある役で次々とドラマに出演する中、俊介が与えられた役と言えば、通行人や喫茶店の客とかそんなものばかりだった。
23歳という年齢も、そうしたことに拍車を掛けたのかも知れない。
役者としての才能に限界を感じた俊介は、故郷の湘南片瀬海岸に帰って来る。

ゆかの父親である牧原昌孝が経営する民宿[牧の宿]で働きながら、海開きのシーズンは海の家をやって過ごし、空いた時間は好きなサーフィンをして、気分をまぎらわしていた。


そんな時、俊介の前に加野優奈が現れた。
[ 匿名さん ]