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ヌーの大量死 毎年6200頭が生態系にもたらす意外な恩恵 アフリカ
野生生物には、エサや水場、繁殖地を求めて大群で長距離を旅する種類がいることは知られているだろう。

レミングや渡り鳥などもそのひとつだが、最大がアフリカのヌーだ。

エサが豊富な草地を求めて、120万頭の大群がケニアからタンザニアまで移動するなか、川を越えられずに溺れ死ぬ数は毎年6000頭を超す。

「集団自殺」とも言えるこの現象が、生態系にどんな影響をもたらすのか、米国のチームが意外な調査結果を発表した。

ウシの仲間のヌーは、2〜3月の雨季になると、オスとメスのグループに分かれ、集団で出産した後に、少しずつ合流し、半年近い長旅に出る。

有名なのは、ケニアのマサイマラ国立保護区から、タンザニアのセレンゲティ国立公園への大移動で、国境付近のマラ川では、ワニに捕食されたり、溺死する犠牲者が毎年あとを絶たない。

研究者のなかには、太古から脈々と続いていた移動ルートが、家畜の牧場などが作られたことで寸断され、変更を余儀なくされた結果と指摘する説もあるが、米イェール大学のアマンダ・スバルスキーさんらのチームは、過去10年間分の分析と5年間に及ぶ現地調査の結果、毎年死亡する平均6200頭分の死骸は、1100トン相当のバイオマス・エネルギーに変わって、周辺環境の生態系を維持している源になっているという研究成果を発表した。

バイオマスとは、生物を利用したエネルギーのことで、サトウキビやとうもろこし、もみ殻や家畜のフンなど、再生可能なエネルギーの使用を進めることで、地球温暖化対策につながるものと期待されている。

具体的には、川で死んだヌーの肉や内臓は、ワニや鳥などに食われて2〜10週間で無くなるが、骨が完全に分解されるまでには約7年かかり、この間に骨から溶け出す低レベルのリンが、微生物や魚、昆虫などに必要な栄養分となり、川の生態系を潤すとするという。

研究者の試算によれば、「シロナガスクジラ10頭分」の栄養分に相当し、ヌーの大量死が川の生態系を守っていることにつながるとしている。
【日時】2017年06月24日 06:00
【提供】ハザードラボ

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