>>65続き。続く。
■家族の心配
— 汚染水対策をどうみていますか。
「去年の8月に(福島第1原発で)タンクの漏水があったろ? タンクが傾いたとか、ホースの継ぎ目から漏れたとか。
(そんな程度のことに)今まで注意していなかったこと自体が信用できんわけよ。
そんな管理する東電さんに原子力を動かす資格はないと思う」
— 漏水事故では高濃度の放射性物質に汚染された水が約300トン漏れました。 今年も事故は続いています。
「南相馬市で収穫されたコメから、放射性セシウム1兆ベクレルを計測した、と東電が(今年7月に)発表したこともあった。
けんど、その1カ月後には2600億ベクレルの間違いでした、と訂正した。 どんな管理しゆうがか、と。
公表前に確認するのが普通。 命に関わる問題やきね。 国や東電の情報は信用できん」
— 明神水産にとっても三陸沖は大事な漁場ですね?
「今も行きゆうよ。 6月くらいから、9月、10月まで。(100トン以上の)太い船3隻でカツオを捕りに。
自分が心配するがは(乗組員の)家族よね。
家族から 『お父さん、あんな怖いとこ行く船に乗りなや』 っていう話が出たら、三陸での操業は控えないかん」
「ほんでね、うちらは去年から(主力を)19トンの船に切り替え、(鹿児島県沖の)薩南海域で操業させゆうがやき。
もちろん、放射能の問題だけやない。 燃料も高うなった。 カツオも釣れんなった。 だんだん採算が合わんなりゆう。
けんど、やっぱり、さっき言った家族の心配よね。 これからは基本的に三陸は捨てる」