鹿児島県の口永良部(くちのえらぶ)島について、気象庁は18日、噴火警戒レベルを「入山規制」の3から、「火口周辺への立ち入りを禁止」する2に引き下げた。
2015年6月以降、噴火が発生していないが、火山性地震は依然として多く、火山ガスの放出量も噴火前の水準には戻っていない。
口永良部島では、2015年5月29日に新岳が大爆発し、噴煙の高さは標高9000メートルを超え、火砕流が海岸まで到達。
全島民137人が島外に避難した。
このときの爆発で気象庁は観測史上初の警戒レベル5を発表。
活動は翌月まで続いたが、噴火は同年6月19日を最後に発生していない。
今月10日から11日にかけて現地調査を行った気象中によると、新岳火口と火口西側斜面の割れ目からは白い噴煙が上がっていたものの、地表の高温域の温度は昨年以降、低下しているという。
昨年11月下旬には火口直下を震源とする火山性地震が急増し、1日あたり最大で60回超、1カ月あたり300〜500回と多い状態が続いていて、火山活動は依然として高まっているが、GPS衛星を使った地殻変動の観測では、2016年1月ごろから山体の収縮傾向がみられているという。
東京大学や京都大学防災研究所などが実施している火山ガス(二酸化硫黄)の観測では、1日あたりの放出量が100〜500トンとやや多く、噴火前の水準(1日あたり約100トン)には戻っていない。
このため気象庁は、噴火警戒レベルは引き下げるものの、小規模噴火が発生する可能性があるとして、火口から約1〜2キロ範囲では噴石や火砕流に警戒する必要があるとしている。
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【日時】2018年04月18日(水) 14:04
【提供】ハザードラボ