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(2)日本においては、助産所出産も同じ危険性を伴う
欧米には、日本でいうところの助産所は存在しません。なぜなら、緊急帝王切開を行うことの出来ない出産施設など、法律上認められないからです。助産所はすべて病院内(あるいは敷地内)にあり、緊急時には医師が対応します。
例えば、医師や医療機器、薬などが不足している国々では、もちろん、屋根とベッドさえあればお産が行われるでしょう。でも、日本はそうではありません。助産所というのは、あえて医療機器から離れることを目的とした施設です。
せめて新生児蘇生の準備があれば良いのですが、それも法律で強制されているわけではありません。実際、私が学生時代に実習をした助産所には、新生児を蘇生するための台(インファントウォーマー)すらありませんでした。
更に驚いたことに、助産所の嘱託医制度にはいくつもの抜け道があり、実際には、産科医との強い連携があるわけでも、受け入れが確保されているわけでもない場合が多々あります。極端に言えば、一般人が救急車を呼んで、どこかの病院に搬送されるのと変わりない程度の安全性しかないのです。
これでは、助産所の安全性は自宅出産のそれとほとんど変わりない、と考えても差し支えないでしょう。