今月19日に大爆発したインドネシア・スマトラ島のシナブン山では、火口に堆積していた溶岩ドームが一気に吹っ飛び、山頂の形状が大きく変化していたことが明らかになった。
爆発の瞬間から噴煙が広がっていくようすをとらえた衛星動画を見ると、噴火の規模がいかに巨大だったかが理解できる。
シナブン山は今月19日朝、2013年に活動が本格化して以来、最大規模の爆発を起こした。
それ以降、噴火は起きていないが、このときの噴火の影響で火山周辺では、大気中に大量の火山灰が飛散しており、マスクやゴーグルの保護なしでは、呼吸器や眼に健康被害が及ぶおそれがあるとして、行政が注意を呼びかけている。
19日の噴火は、黒い噴煙が上空5000メートル以上に到達。
山頂火口からは高温の火山灰や軽石、火山岩が一気に斜面をくだり、火砕流の長さは5キロ近くまで及んだ。
インドネシア国家災害管理局(BNPB)が公開した山頂付近の写真を見ると、噴火前には火口から飛び出していた溶岩ドームが、跡形もなく消滅し、反対側の稜線が見えるようになった。
火口周辺には、流れ落ちた火砕流の通り道や、噴火時の衝撃でえぐられた痕跡がはっきりわかり、爆発の凄まじさを物語っている。
また噴火は宇宙からもはっきりとらえられていた。
英国のアーティスト・ショーン・ドラン(Sean Doran)さんは、日本の気象衛星が撮影した観測画像をタイムラプス動画に編集加工してYouTubeに投稿した。
白い雲ばかりの上空を、赤褐色の噴煙が染みのように広がっていく動きがよくわかるとして注目されている。
【日時】2018年02月23日(金) 17:58
【提供】ハザードラボ