熊本県の阿蘇山では、今月に入ってから火口直下で起こる特有の火山性微動が急増していて、きのう(2日)は557回にのぼった。
2016年に爆発的噴火を起こした中岳は先月末、3年半ぶりに規制が解除されたばかりだが、けさ再び火口近くへの立ち入りが規制された。
気象庁によると、阿蘇山では今月1日以降、「孤立型微動」と呼ばれる阿蘇山特有の火山性微動が500回近く観測されているとともに、火山性地震の回数も多い状態が続いている。
先月27日と28日の孤立型微動の回数は、いずれも120回余りだったが、3月1日には491回、きのう(2日)は557回、きょうも午前8時までにすでに176回を観測。
きのう行った現地調査では、二酸化硫黄を含む火山ガスの放出量は1日あたり500トンと少なかったが、気象庁はきょうも機動調査班を派遣し、現地調査を実施する予定だ。
阿蘇山は2016年10月、中岳第一火口で36年ぶりに爆発的噴火が発生し、噴火警戒レベルは「入山規制」を意味する「3」に引き上げられた。
翌年2月には警戒レベルが「1」に引き下げられたが、地元阿蘇市では現在もロープウェーを運休しており、周辺を走る阿蘇山公園道路は、先月28日に3年半ぶりに立ち入り規制が解除され、中岳の火口見学が再開されたばかり。
気象庁は現時点で警戒レベルは「1」を維持しており、「火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められない」としているが、火口内では土砂や火山灰が噴出するおそれがあるとして注意を呼びかけている。
このため、阿蘇市は3日、火口から1キロ圏内への立ち入り規制を決めた。
国内の火山の現状は、ハザードラボ「火山マップ」でもご確認いただけます。
【日時】2018年03月03日(土) 12:10
【提供】ハザードラボ