原子力規制庁は20日、基準値を超える放射性物質を含むキーホルダーを無届けでインターネットを通じて販売していたとして、アマゾンジャパンなどに対して、販売を停止するよう指導を行った。
これは、20日に東京都内で行われた原子力規制委員会で明らかにされたもの。
原子力規制庁によると今年3月以降、インターネット通販サイト「Amazon」を通じて、「放射線障害防止没で定められた基準値(1ギガベクレル)を上回る「トリチウム」を含んだキーホルダー15点とコンパスが販売された。
このうち中国のメックアーミー社製キーホルダー「トリチウムグローバーTR25」には、基準値を上回るトリチウムが最大で10.9ギガベクレル含まれていた。
製品を輸入販売していたタカテック社は、基準値を超える放射性物質が含まれていることを認識せず、無届けで8人の客に15個を販売。
アマゾンジャパンの倉庫に保管されていた未販売の13個については回収を済ませたが、販売済みの15個のうち、9個はまだ回収できておらず、うち1個は誤って廃棄してしまったという。
販売防止に関する再発防止柵を法律で定めた基準を超える量の放射性物質が使われたキーホルダーなどの製品を無届けで販売したとして、原子力規制委員会は、ネット通販大手・アマゾンジャパンなどに対し、製品の販売停止を求めました。
さらに、「SHOP翔」がひとりの客に売ったコンパスにも基準値を4倍上回るトリチウムが使われていたが、こちらについてはすでに回収し、海外の製造者に返却を済ませたという。
トリチウムは、宇宙から降り注ぐ放射線が、空気中の窒素や酸素とぶつかってできるもので、日本国内では水1リットルあたり1ベクレル存在すると考えられている。
原子力発電所の冷却水の中でも作られるが、万が一被ばくしても、普通の水と同じように排出されることから、体内に蓄積される心配はなく、人体への影響はほとんどないという。
原子力規制庁は、アマゾンジャパンと製品を出品した2業者に対して、販売停止と製品回収を求めるとともに、再発を防止するために、ヤフーや楽天など、他のネット通販会社にも通知を出して、適切な措置を取るよう要請した。
【日時】2017年09月20日(水) 17:34
【提供】ハザードラボ