>>950の続き 「そのエホバの証人なんですけど、教えてる事が間違ってるって言うか、キリスト教ですらないみたいなんですよ」取りあえずはそんな感じで俺は話を切り出した。「間違えてるって何がえれ?」少し人を小馬鹿にした様な笑みを浮かべてHさんが言った。Hさんからすれば、俺の様な聖書もキリスト教の事もろくに分かっていない中学生のガキが何を言っているのかと思ったのだろう。俺は話を続けた。「いや、上手く言えないんスけど、エホバの証人ってキリストを神として認めてないんでしょ?だから、キリスト教じゃないんですよ」 「何でえれ、聖書に『イエスは神の子』って書いてるえれ。」そう言うと、Hさんはカバンから聖書を取り出した。「いや、その聖書なんですけど、エホバの証人の使ってる聖書は偽物って聞きましたよ」俺がそう言うと、Hさんは少し顔をしかめた。「『聞いた』って誰から聞いたんや?」 「牧師から」 「牧師ってどこの牧師えれ?」 「駅の近くの教会の牧師です」 「その牧師ってのは、何や、俺らの聖書が偽物って言ってるんか?」 「まあ、そうッスね」 途端にHさんの顔が険しくなった。「オウ、その牧師に会わせてくれや。ちょっと話したるで。これ食い終わったら、そいつの所に行くぞ!」 話は予想外の展開になってしまった。