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■イライラさせるのも、処世術の一つ?
「やるのかい、やらないのかい、どっちなんだい?」

といえば、筋肉芸人・中山きんにくん得意の前フリ。

これの度に「ああ、また筋肉ルーレットが見られるなあ」と、少しうれしくなったりするのですが……

世界中の人たちが、これと同じセリフを口にして、イライラしているのではないでしょうか?

史上初となる、米朝首脳会談の動向についてです。

会談への前向きな意思を表明したかと思ったら、突然態度を硬化。

相変わらずの憎まれ口を叩いたかと思うと、「やっぱり、会談したいからアメリカに口利きして」と、韓国・ムン・ジェイン大統領と緊急会談をおこなったりする。

もうねえ、「やるのかい、やらないのかい、どっちなんだい?」なのですよ、金正恩朝鮮労働党委員長。

とっとと核兵器を放棄しさえすれば、トランプ米大統領も悪くはしないと表明していますが、そうカンタンなことではない。

世界、とりわけアメリカをイライラさせて、少しでもマシな条件を引き出そうという作戦かも?　それもこれも、金正恩氏が身に付けてきた処世術なのかもしれません。

■こんな場合でも、気になるのが腕時計
金正恩氏とムン・ジェイン大統領の緊急会談を、世界中がヤキモキしながら見守っている一方で……犬助が注視していたのは金正恩氏の左腕でした。

キラッと光る腕時計を見逃さない、どんな時計を腕にしているのかが気になる、まあ時計好きの悲しい習性なのですね。

2人が抱擁し合う映像が流れたのは、ほんの数秒。

金正恩氏の左腕が写っていたのは、さらに僅かな時間だったのですが……ええ、犬助の鋭い目はとらえましたよ。

金委員長の左腕を、そしてどこのブランドのどんなモデルの時計を身に着けているかを、一瞬で見抜いたのです!!

■それは、スイスの名門「モバード」の時計
……と、ちょっと大げさに言ってみましたが、その時計は非常に特徴があるデザイン。

それだけに、モデルを特定するのは非常にカンタン。

というか時計好きならば、誰もが見抜くことができたでしょう。

金正恩氏の腕に巻かれていたのは、モバード「M0607135.8303L」、今年になって発売された「ミュージアム70周年アニバーサリーエディション」。

真っ黒の文字盤とベルト、12時位置にある、ゴールドの大ぶりなドットが特徴という、非常にわかりやすいデザインの一本です。

このモバードというブランドなのですが、1881年にスイスで創業していますから老舗の内に入るでしょう。

過去にはカルティエやティファニーにOEMで製品を共有したり、クロノグラフ・ムーブメントの名品「エル・プリメロ」をゼニス社と共同開発したりと、なかなか輝かしい歴史を持っています。

■身につける時計も金正恩氏の計算の一つ?
と、こんな話を聞いて、時計にくわしくない人はどの様なイメージを持つのでしょうか?

金正恩氏が所有しているぐらいだから、余程高価なモデルに違いない!!　とか。

しかし、この「M0607135.8303L」はクオーツモデルな上に、ステンレス製のケースに金メッキというごく普通の造り、実売は10万円を切るという何とも微妙な価格帯のモデルとなっています。

まあ、もちろん一国を率いる金正恩・朝鮮労働党委員長のことですから、所有している時計がモバード一本だけのはずがありませんし、もっと高価なコレクションを所有していると考えたほうが自然です。

にもかかわらず、ムン大統領との会談の場で「あえて」モバードの特定しやすい時計を選んだのはなぜか?　これも金正恩氏一流の計算ではないか?　と、犬助は勘ぐっています。

「あれ?!　金正恩氏が付けている時計って、それほど高額じゃないんだな。ひょっとして、一般の人達と変わらない感覚を持った人かも?」

そんな自身のイメージを印象づけるために、あえてモバードを選んだのでは?　そして金委員長ぐらいの世渡りの達人ならば、それぐらいの計算はしそうだと思うのです。

そして、このモバードというブランド、現在はアメリカ資本下にあるということも、お伝えしておきます。

これもアメリカの北朝鮮へ抱く感情を和らげることを狙ってのことだったとしたなら、やはり、金正恩氏の処世術というのは相当なものだと犬助は感心しきりなのですが、勘ぐり過ぎなのでしょうか。

やはり、金正恩氏はあなどれないな。

そんな風に犬助は思うのです。