>>735 からの続き
貴方が引用された『報恩抄』の前後の箇所を読めば解る通り、この箇所は前段の質問に対しての日蓮の明快な回答になっています。
「本門の教主釈尊を本尊とすべし」の辺りを猫さんの引用された処から見てみましょう。
日本・乃至一閻浮提・一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし 所謂宝塔の内の釈迦多宝、外の諸仏・並びに上行等の四菩薩脇士となるべし
実際に日本図顕の曼陀羅には釈迦多宝の二仏は主題の南無妙法蓮華経の脇士となっています。
ここで注目すべき点は『法華経』本門の教主釈尊が多宝仏や諸仏四菩薩とともに脇士に格下げされていることであり、本尊とすべき釈尊は一部八巻廿八品の『法華経』の教主釈尊ではなく、主題の南無妙法蓮華経であり、その題目を末法の世に弘めるべく出現した上行菩薩の再誕たる日蓮の本地は南無妙法蓮華経という成仏の種を本未有善の荒凡夫に下す下種益の教主釈尊であるという教義が成立するのです。
すなわち八巻の『法華経』によって救済される衆生（本已有善）は釈尊在世と正・像二千年で尽きるのであり、末法の世の中は『法華経』の真髄たる南無妙法蓮華経の教主釈尊すなわち「日蓮大聖人」であるというのが猫さんの属する日蓮正宗の教えなわけです。
その他にも日蓮遺文にはその教義が成り立つ元となり得るものは意外に多いので論破するのは容易ではありません。
まあ期待してますから高橋さん、頑張って下さいな。
