爆サイ.com 北陸版

政治総合


No.5975983
#1
 米国の圧倒的な軍事力をアフガニスタン、イラクに集中させることにより、アジア太平洋への米軍の展開が手薄になった。中国はこの「力の空白」に乗じて、いっきに海軍力を増強し、南シナ海の島嶼(とうしょ)を取りにいったのは周知の通りだ。

 9・11で米本土がテロ攻撃を受けた以上、米軍の即時展開は避けられなかった。しかし、今回のエルサレムへの移転という外交案件は、公約とはいえ時間的な余裕があったはずだ。かの地で不測の事態が発生し、米国の「中東シフト」を誰が喜ぶかは明らかだろう。核開発に前のめりの北朝鮮と、戦後、米国が主導した国際規範を変えようとする中国にほかならない。

 西太平洋地域では、多くのアジア諸国が、このまま米国に協調していくべきか、あるいは中国の影響下に入るべきかを思案している微妙なタイミングにある。

 東アジア諸国がトランプ政権に失望させられたのは、米国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を決定したときだ。逆に中国は、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を用意し、鉄道、港湾のインフラ投資で周辺諸国に誘い水を出している。 東南アジア諸国は南シナ海の島嶼を力ずくで分捕る中国よりも、米国の関与を求めていることは明らかだ。TPP離脱もエルサレム移転も、西太平洋における米国の影響力排除を狙う中国の戦略に合致する。

 しかも、米国が対北圧力で中国への依存度を増せば、米中関係は中国が優位に立つ。北朝鮮に最低限の圧力で体制存続をさせるなら、米政権の無能ぶりが露呈し、アジアの米国離れを助長するだろう。

 トランプ政権がいま、何をやるべきは明らかだ。TPPなみの多国間経済連携協定をつくり、東南アジアを含む新たな安全保障の枠組みを構築する。これなしに中国の膨張は止まらない。(東京特派員)


[ 匿名さん ]
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