戦争の実感を持たず「奇妙な戦争」と呼ばれた、第2次世界大戦勃発直後のフランス・パリの光景もそうだったのだろうか。あるいは、ナチスドイツとのかりそめの宥和を達成した、チェンバレン英首相を歓呼の声で迎えたロンドン市民の雰囲気なのだろうか。北朝鮮をめぐる情勢が緊迫の度を増すなか、東京での日常の生活は何事もなかったかのように過ぎていく。「平和ボケ」ではあるのだが、何ともうまい表現が見当たらないのが悩ましい。金正恩が踏んだ「トラン...