老年期に新たに発症する場合の症状の特徴は、体系的な妄想(訂正がきかない誤った思い込み)が主症状であり、幻覚は伴うことも伴わないこともあります。妄想の内容としては「いやがらせをされる」「家屋や敷地内に侵入される」「物を盗られる」などといった被害関係妄想が最も多く、その他、心気妄想、嫉妬妄想、誇大妄想などがみられます。若年発症の統合失調症に比べると、高齢者でみられる妄想の主題は現実的、具体的であることが特徴であり、その人の日...